2007年1月4日木曜日

RA診療のTrivial Q&A 2

Q:
「指先のMCP関節の腫脹をケナコルト関節注射で『散らす』か」
中~大関節の調子は非常によいにもかかわらず、両側2-3MCP関節の腫脹が残る場 合、ケナコルトの関節注射で「炎症を散らす」ことを時々やっていますが、患者さん によって評判はまちまちです。場合によっては「お試し」と称して複数腫脹している 小関節の1つだけにケナコルトを注射し、次の外来でその他の小関節の腫脹に注射す るかどうかを患者さんに決めてもらったりしていますが、これは結局一時しのぎにす ぎないのでしょうか?やはり注射で「散らす」と同時に(例えば)Methotrexateも dose upする必要があるのでしょうか?
Q補遺:関節注射の日は「お風呂をやめて」もらっていますか?(私は全くナンセン スだと思うのですが・・・)
(by Rheum-dora)

A1:
ケナコルトに関しては、もし今からIntra-articular injectionをはじめようという 先生方がいれば、膝以外には注意が必要です。なれてくればいいのですが、漏れたと きに脂肪組織の萎縮などトラブルの元になります。でも、しっかり関節に入れば一番 長持ちして良く効きます。なれるまで、リンデロンでお茶を濁すことも可能です。 僕は原則、指とか手首には30Gで注射していますのでお風呂はOKと思っています。3 歩歩けばアナはふさがるというのは言い過ぎかもしれませんが・・・
リドカインと1:1希釈するとうちやすいです。
MTXのドースアップが毎回必要かはむずかしいところです。でも、これをすることによって、一気に炎症を下げてMTXの有益性やTNF製剤で維持しやすくするという効果はあると思います。IA単独で治療しているのでなければ、散らすとか一時的というほど自虐的な治療でもないかと思います。
(by SLIHAR先生)

A2:
関節注射については、totalの疾患活動性が十分低下しているにもかかわらず、一過性の単関節炎のためにQOLが低下している症例には、あまり躊躇せずホイホイと関節注射していますが、すぐに再燃してしまう場合や、手指関節のあちこちが腫脹しているような場合には、MTXの増量や生物学的製剤の導入 を積極的に勧めています。
(by H先生)

0 件のコメント: