2007年1月6日土曜日

最近のNew England Journal of Medicineの話題

 今週のNew England Journal of MedicineのClinical Problem Solvingは、「関節 症状・日光過敏・全身倦怠感」などを訴えて受診された45歳 女性の症例です。 (Free full textです) http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/1/68
 最初のパラグラフでLupusを疑いましたが、抗核抗体陰性、それでも "Seronegative Lupus"の診断のもとHCQ(この薬について日本でpracticeしているとありがたみがよくわかりませんが・・・)が開始されてしまいます。
 それを批判する(?)discussantは "The diagnosis of systemic lupus erythematosus requires 4 of 11 clinical and laboratory criteria that this patient has not met. At this point, the working diagnosis should be an undifferentiated connective-tissue disease that responded clinically to hydroxychloroquine." と述べていますが、Lupusの診断の考え方として、それはいかがなものでしょうか?
 一旦HCQで諸症状は改善したのですが、4年後にMassiveな下痢で再受診、蓄便 (MKSAPなどを読んでいると出てきますが、日本のPracticeで見た事ありません)では明らかな脂肪便、そのうち精神症状が出てきて・・・ 読者はそこで今号のNEJMの目次を見直し、編集者のEditorial handlingにニンマリする仕組みになっています。
(by Rheum-dora)

 NEJMといえば12月21日の左腕の筋力低下を来たしたSLEという題名のものもなかなかです。 http://content.nejm.org/cgi/content/extract/355/25/2678
 入院中にMRI簡単に数えただけで8回取ってますし、Brain Biopsyも2回。ステロイ ドパルスのタイミングも冬眠している人が起きてきてひと言言いそうな感じで、感染症とSLE自体の鑑別が問題になりますがやはりCRPははかっていない(別に深い意味はありませんのできつい突っ込みはご勘弁ください)、などアメリカの医療が垣間見れます。
 最終的にはcaspofungin, voriconazole, clindamycin, atrovaquine, meropenem, vancomycin, pyrimethamineにステロイドパルスを加えて終結する症例です。僕は勉強になりました。
(by SLIHAR先生)

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