26歳の男性。特にこれまで既往も、薬物アレルギーも無し。
来院10日前より湿性咳が出現し、その翌日から熱も出てきたため市販の、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、Robitussinを服用。2-3日してから(来院7日前)より口腔内に水泡、潰瘍が出現し眼瞼結膜も充血して眼脂も出現。その後もOTCのみで経過を見ていたが軽快せず、発熱も続くために救急外来受診。
所見として典型的なStevens-Johnson syndrome (SJS)で皮膚科も診断に同意しました。
問題は原因で、このケースではマイコプラズマIgMが陽性となり(胸部レントゲンでも浸潤影あり。ヘルペスは培養、PCRともに陰性)それによるSJSではないかということになりましたが、皮膚科は同時期に服用していたNSAIDsも原因として決して否定はできないので、この青年には一生NSAIDs、アセトアミノフェンを服用すべきではないとアドバイスしております。ちなみに今回のエピソード以前にNSAIDを服用したときは特に問題は無かったらしいですが。チャレンジテストはできませんし、どのように対処すべきか苦慮しております。 私個人としてはマイコプラズマ感染で一元的に考えたいのですが、疾患の重症性を加味すると皮膚科の言うことももっともだなとも思います…。
皆様のご意見をお聞かせいただければ幸甚に存じます。よろしくお願い致します。
(by H先生)
さて、この症例に関しては皮膚科の先生のおっしゃることが正しいと思います。特に アメリカでは。以前大丈夫というのは薬物アレルギーでは落とし穴と思います。
で、結局、現実的には間違って飲んでしまってアセトアミノフェンは大丈夫という日 がくるのではないでしょうか。
SJSに関しては、再投与試験は禁忌(大変になったことがあるようです)、1型ではな いのでプリック検査も皮内検査も意味がなく、LSTは陽性でも陰性でも感度/特異度と も十分低いので将来的計画に影響はありません。一応、日本ではパッチテスト!!と いうのがスタンダードにもなっているようですが少なくともアメリカでは medicolegalにはやらない方が良いですし、これの意義に関して納得のいくデータを 私個人は知りません。どなたかご存知でしたら教えてください。
(by SLIHAR先生)
貴院の皮膚科の先生の仰るとおり、薬疹の可能性も考えられると思います。
原因の追究に関してはチャレンジテストはSJSはやはりやらないほうがよさそうですね。SLIHAR先生もご指摘の通り、パッチテストやDLST(リンパ球刺激試験)は感度特異度とも高くはなく、ともに約半数くらいの陽性率のようです。
皮膚科医としてこの症例を検討する場合、まず薬疹の可能性が高いのかを考えます。皮疹の分布(薬疹によるものだと体幹中心に、感染によるものだと四肢末梢に環状の紅斑がでやすい傾向があります)や薬剤中止により改善してきたかなどの臨床症状を見ます。この青年の場合内服前より発熱、咳などの臨床症状があったこと、マイコプラズマ陽性ということよりマイコプラズマによるものが考えやすいですが、やはり薬疹の可能性は否定しきれないので、私も内服していた薬は避けてくださいと言うと思います。ただ今後すべてのNSAIDsやアセトアミノフェンが使用できないというのも酷なので、例えばNSAIDsであればすべてのNSAIDsがだめというわけではなく、構造式が違えば抗原性が違ってくるので内服できる薬はあるのではと思います。構造が異なるものを1/100量から内服してみて内服できる薬を探すという方法をとってもいいのではと思いますが、その際にはリンパ球の活性化が落ち着いた6週以降がいいようです。また、絶対に交叉感作が起こらないとは言い切れないので文書で承諾を得たほうがいいと思います。(アメリカでは難しいでしょうか?) NSAIDsとアセトアミノフェンではNSAIDsの方が薬疹のリスクが高いと記憶していますが(間違ってたらごめんなさい)、アセトアミノフェンもSJSを含めた薬疹の報告が多数認められますので、難しいところですね。
以上、何の解決にもなりませんが、私の見解を述べさせていただきました。
(by Y先生)
2007年2月17日土曜日
2007年2月15日木曜日
RAに対するEtanerceptとTacrolimusの併用
Tacroは日本でしか(正確には日本とカナダ)RAには使われていないので、 データは難しいと思うのですが、以前ある大学の先生がETA/INFとTacroやブレディニンを併用したときに10%を軽く超える肺炎などの感染症があると発表されていました。
作用機序から考えていろんなところを抑えすぎるのもいけないのかとも思っていました。もちろん、併用されている施設も多いと聞いているのですが。他の施設でも感染症がこんなに高率なのでしょうか。
僕は、この話を聞いて以来は MTXの適応が飲めない人でTacroをいってだめでETAにする場合はTacroを切っています。
(SLIHAR先生)
同じTセルを抑えるという面ではCTLA4-IgのAbataceptとTNF阻害剤の併用は、Trialで静脈抗生剤が必要となるような感染症が20%ぐらいあり米国でも禁忌になっていますよね。私はTacro+ETAまだ未使用です。
(K先生)
SLIHAR先生、K先生、皆様:
御指摘ありがとうございます。当科でもINF/ETA+Tacroについて多くの症例経験は なく、小生の把握している限り本患者さんのみです。
同じCalcineurin拮抗薬としてCyclosporin A(CsA)がありますが、こちらのデー タをTacroに流用するのは牽強付会に過ぎるでしょうか。
"Infliximab treatment in combination with cyclosporin A in patients with severe refractory rheumatoid arthritis."
http://ard.bmj.com/cgi/content/abstract/61/9/822
(PMID:12176808)
"Cyclosporine in addition to infliximab and methotrexate in refractory rheumatoid arthritis."
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=16396721&query_hl=5&itool=pubmed_DocSum
(PMID:16396721)
上のARDの報告では女性 15名・男性 3名にINF+CsA(2 mg/kgで開始)が使用され ていますが、そのうち1名が肺結核を発症しています。
ETA+CsA/Tacroではこれといった文献が見つかりませんでした。
INFとMTX「以外の」DMARDs併用に関しては、SLIHAR先生ご紹介のNCPRでAzathioprine やLeflunomideを併用したStudyの検討(Practice Point)がなされていましたが、 http://www.nature.com/ncprheum/journal/v2/n9/full/ncprheum0271.html
CommentaryでDr. Nancy Olsenが
"It is also somewhat surprising that the 225 patients were collected from 48 hospitals, which corresponds to an average of only about five patients per hospital; this suggests that the patients treated with the alternative combinations were relatively rare compared with those taking the methotrexate combination."
と述べています。
MTXがKey drugであることは揺らぎませんが、何らかの理由でMTXが 使用できなくなった患者さんについては突然NEE治療の門戸が狭くなってしまうよう です。
(Rheum-dora)
作用機序から考えていろんなところを抑えすぎるのもいけないのかとも思っていました。もちろん、併用されている施設も多いと聞いているのですが。他の施設でも感染症がこんなに高率なのでしょうか。
僕は、この話を聞いて以来は MTXの適応が飲めない人でTacroをいってだめでETAにする場合はTacroを切っています。
(SLIHAR先生)
同じTセルを抑えるという面ではCTLA4-IgのAbataceptとTNF阻害剤の併用は、Trialで静脈抗生剤が必要となるような感染症が20%ぐらいあり米国でも禁忌になっていますよね。私はTacro+ETAまだ未使用です。
(K先生)
SLIHAR先生、K先生、皆様:
御指摘ありがとうございます。当科でもINF/ETA+Tacroについて多くの症例経験は なく、小生の把握している限り本患者さんのみです。
同じCalcineurin拮抗薬としてCyclosporin A(CsA)がありますが、こちらのデー タをTacroに流用するのは牽強付会に過ぎるでしょうか。
"Infliximab treatment in combination with cyclosporin A in patients with severe refractory rheumatoid arthritis."
http://ard.bmj.com/cgi/content/abstract/61/9/822
(PMID:12176808)
"Cyclosporine in addition to infliximab and methotrexate in refractory rheumatoid arthritis."
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=16396721&query_hl=5&itool=pubmed_DocSum
(PMID:16396721)
上のARDの報告では女性 15名・男性 3名にINF+CsA(2 mg/kgで開始)が使用され ていますが、そのうち1名が肺結核を発症しています。
ETA+CsA/Tacroではこれといった文献が見つかりませんでした。
INFとMTX「以外の」DMARDs併用に関しては、SLIHAR先生ご紹介のNCPRでAzathioprine やLeflunomideを併用したStudyの検討(Practice Point)がなされていましたが、 http://www.nature.com/ncprheum/journal/v2/n9/full/ncprheum0271.html
CommentaryでDr. Nancy Olsenが
"It is also somewhat surprising that the 225 patients were collected from 48 hospitals, which corresponds to an average of only about five patients per hospital; this suggests that the patients treated with the alternative combinations were relatively rare compared with those taking the methotrexate combination."
と述べています。
MTXがKey drugであることは揺らぎませんが、何らかの理由でMTXが 使用できなくなった患者さんについては突然NEE治療の門戸が狭くなってしまうよう です。
(Rheum-dora)
63歳男性 「つまむと痛い」
皆様
先日より困っているが症例が有りまして、皆様のご意見をうかがえればと存じます。 長い記述のうえに英語ですみません。膠原病関連疾患なのかどうか見当がつきません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
Case: CC: 63 y/o fisherman presented with pinching induced pain all over his body below the neck.
Pt was able to catch shrimp boarding on boat until October 2006, when he developed neck and shoulder stiffness and had to be off from work. The stiffness over upper trunk turned more like a pain when triceps and shoulder muscles got pinched. He felt residual pain for 1-2 min off the pressure. He also felt dullness over low back and blt lower extremities. The dull pain is constant, worse on lying in LEs. The stiffness of upper trunk and low back- pelvic area became unbearable in 30 min when he repeatedly loaded bucket of shrimp on to the boat. Pt experienced spontaneous lightening pain in arms and legs everyday. He has no abnormal sensation above his neck.
Pt sought medical attention in several specialties at different hospitals since October. His lumber MRI showed L5/S1 stenosis. The dullness on low back appeared slightly improved with the local injection for 'spinal stenosis' at orthopedics, but the pinch induced pain became worse over time and spread throughout upper and lower trunk. He experienced pain even with the pressure when he rolls over in the bed and his sleep got disturbed.
His past medical hx is significant for untreated hypertension, and COPD dxd a year ago when he had SOB on exertion last winter. He has no sputum or cough, and no sig changes of DOE since last year. His left visual acuity had been weak since he had contracted 'measles' as child and was completely lost since retinal detachment in his 30s.
He takes no medication, no OTC meds or herbal medicine. No known drug allergies, He used to smoke 60pack year and quit 2 years ago. Occasionally drinks beer and no illicit drug use. No recent travel, and no pets or exposure to animal before this presentation. No transfusion. He lives with his wife and 2 grown children. His family hx is noncontributory.
ROS is negative for weight loss, night sweats, skin rash, visual changes, GI or GU sx.
Pt was mildly hypertensive but otherwise showed normal vital signs, and afebrile. He appeared developed and well appearing. Lt eye showed fixed pupil with no reactive to light. Remainder of HEENT, lung heart, abdomen, extremity, and skin exams were unremarkable. Neuro exam: CN2-12 intact and reflex are all normal. Sensation: significant for pinch induced pain below neck. Vibratory, cold temperature, or proprioception intact. Light touch sensation was mildly diminished in both feet. Motor 5/5 throughout. Coordination, Romberg and gait were all intact.
Given the distribution of neck thru shoulder girdle and low back stiffness, we tried prednisone 15mg qd for 5 days, assuming he might have PMR. Steroid was ineffective and was discontinued.
Lab: WBC 10,000 (N 75%, L 10%, E 8 %) Hb14.5 Plt nl LFT nl LDH nl BUN/Cr 20/1.2 (baseline) ESR 28/hr CRP 1.8mg/dl U/A: protein 1+ no casts
CXR nl
He remained symptomatic and the trial of tricyclic antidepressant was not promising. Pt lives far at the sea shore and requests inpatient w/u.
Additional blood work: ANA neg, RF neg, SPEP neg, ANCA neg, VDRL less than 1, TPHA x 160 (<80), Imaging studies at outside hospitals was reportedly all negative: - MRI of head, chest, abdomen, lumbar spine, pelvis - Nerve conduction test. - cystoscopy # Disabling pinching sensation (myalgia, neuralgia??) #mild eosinophilia #Dyspnea of exertion (smoker) #+syphilis antigen #mild elevation of inflammatory markers #L4/5 spinal stenosis My DDx on admission were only tabes dorsalis and eosinophilic myalgia syndrome. Pt was admitted yesterday and LP revealed 5/3 cell and normal protein/glucose. CSF VDRL is pending. Muscle and neck MRI were normal. Could this still be Tabes dorsalis (despite no cells in CSF, no deep sensory deficit)? What other differential dx would account for this presentation?
(K先生)
外来・病棟と駆け廻った後に書類を書きながら拝読しましたので、とんでもない勘 違いをしている可能性がありますが、"Small-fiber neuropathy"として鑑別を考える のはいかがでしょうか?
http://www.thecni.org/reviews/13-2-p07-treihaft.htm
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12210380&dopt=Abstract
年齢・社会的にどうかとも思いますが、小生なら一応HIV statusは調べるかもしれ ません。 また、リウマチ性疾患の範疇で"Small-fiver neuropathy"を来たす疾患として、 Sjogren症候群は考えるかもしれません。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12210380&dopt=Abstract
合致しない点として、発症がDistalからではなく、Neck and Shoulderと、PMRを思 わせるような比較的体幹部から起きていることが挙げられます。(神経内科の先生 方、Followよろしくお願いします ^^;) Mild eosinophiliaに着目すると、漁の時(に限らず)思わぬものを食べていない か(残念ながら知識不足で具体的な寄生虫の名前が浮かびません)が気になります。
取り急ぎお返事差し上げました。書類に戻ります。
(Rheum-dora)
こんばんは。
K先生の症例呈示を拝見して、ある患者さんのことを思い出しました。
35歳の女性で、慢性に経過した背部痛と両上肢痛を主訴に受診されました。 CXRでのBHLが契機となり、サルコイドミオパチー(chronic type)と診断した症例です。
私の鑑別診断は、梅毒、サルコイドーシス、結核、真菌感染症、HIV感染症、血管炎症候群、 lymphomaそして甲状腺疾患です。 また、Rheum-dora先生がおっしゃるように好酸球増多に着目するのも重要だと思います。
血清Ca、ACE、針筋電図、筋造影MRIそして筋生検を計画したいです。
(Y先生)
Rheum-dora先生、Y先生ご意見ありがとうございました。お二人とも考え方がしっかりされていて、とても勉強になりました。
ケースの簡単なまとめですが、63才漁師さん男性、数ヶ月間のprogressive disabling shoulder/trunk/low back stiffnessとepisodic ligntening pain、神経学的所見はgrasp and pressure induced hyperesthesia of affected area以外所見なく、検査値では軽度の炎症と軽度好酸球増多、TPHA 陽性、CSF 大きな異常なしでした。前回きちんと述べていませんで したが、LDH nl, CPK nl, TSH nl, Calcium nl, 他院でのEGD, Colonogscopy negative, CT of chest and abdomen negativeでした。
追加検査結果では、HIV negative, CSF-VDRL negative, Nerve conduction test negative, MRI of quadriceps and cervical spine unremarkableでした。患者さんはtricyclic からcarbamazepineに変更されて2泊3日の検査入院後一度帰宅となりまし た。
神経内科の先生方もとても診断に苦慮されておられました。Current Dianosisという内科教科書の筆頭著者でもありNEJMのCPSでもおなじみのUCSFのティアニー先生にご意見を伺うことができたので、皆様にお伝えしたいと存じます。長いのでお時間をとりますこと、お詫びいたします。
A very rare condition I thought of immediately was Stiff-man Syndrome (some call it Stiff-person Syndrome for political correctness). This is thought to be an auto-immune syndrome, related possibly to type I diabetes and other immune conditions. The early symptoms are just like your patient's; I think you can find details on the internet. The EMG shows characteristic findings which Valium abolishes, unlike any other disease. Antibodies to glutamic-acid decarboxylase are found in most cases; sensory and motor neurological examinations are normal however. It would be an early case, and the disease is slowly progressive; you might be able to help the patient with high-dose benzodiazepines or baclofen. This is so rare, however.
One always thinks of Ciguatera toxin poisining in a fisherman with neurological symptoms, but they are mostly sensory. The idea of eosinophilic fasciitis came to my mine. It usually causes more obvious non-pitting edema in the affected areas; a deep fascial biopsy is necessary for diagnosis. I don't think it is eosinophilia-myalgia syndrome. If I am not mistaken, this is caused by tryptophan in a food supplement, and has not been reported for a number of years.
Sometimes people keep supplements for long times in their homes, so you might ask him about that. Trichinosis causes severe myalgias with eosinophilia, but I don't think you have it in Japan; an antibody test confirms. One of my patients had it: he was a hunter, and ate undercooked meat of a bear. You could see if your patient has this hobby, and you would know better than I if it is found in Japan.
Some small-fiber neuropathies may cause similar symptoms to your patient's with a normal nerve-conduction test. In such individuals, repeated and careful neurological examinations, especially of sensation and strength, are useful. The lightning nature of the pains make me wonder about that.
It is interesting that he had a peripheral treponemal test positive, but maybe it is falsely so (compatible with autoimmune disease, as Mitsuyo knows well). However, a negative CSF VDRL rules out tabes; you are so smart to think of it! I once had a patient with these lightning pains and tabes: very dramatic. A small-fiber neuropathy can be paraneoplastic, and indeed, the entire picture concerns me for this.
I learned from the great Dr. Robert Fishman at UCSF years ago that unexplained neuromuscular syndromes should raise the question of a hidden malignancy. Your patient is in the correct age range for that, and you might seek it with endoscopy and abdominal-pelvic CT scans.
I agree that PMR is excluded by failure to respond to steroids. Most true myopathies, such as polymyositis, have easily demonstrated weakness, but your Hokkaido fisherman may be a strong man in whom loss of strength could be difficult to detect. Endocrine myopathies are painless; inflammatory myopathies have pain much of the time. The CK is not always elevated. Sarcoidosis is an often overlooked disorder capable of causing myopathy, and is common in Japan as I need not tell you.What does one do?
I would proceed as follows: 1. a deep muscle biopsy to include fascia, in an affected area 2. repeat of the muscle enzymes 3. an EMG, positive in 85% of myopathic processes 4. a CT of the type I mentioned 5. the antibodies mentioned for Stiff-man (person) Syndrome 6. a panel of autoantibodies, to include anti-parietal cell, anti-thyroglobulin, anti-microsomal; obvously SLE is in the mix, so ANA is necessary, but I think you have already performed that 7. consider a therapeutic trial of baclofen while awaiting the results 8. hold off on steroids unless everything is negative, and then consider a higher dose, say 40 mg. of prednisone daily 9. trichinella antibodies 10. and as always in the end, revisit the history 11. serum LDH, as lymphoma can do strange things clinically.
また神経内科の先生方と相談しながら検査と経過を見ることにいたします。その後新たな展開がありましたらご報告申し上げます。
(K先生)
Dr. Tierneyの鑑別診断としては、
1:Stiff-person syndrome 2:シガテラ中毒 3:好酸球性筋膜炎 4:Eosinophilia-myalgia syndrome 5:Trichinosis(旋毛虫症) 6:Small-fiber neuropathies 6-1:Paraneoplastic syndrome 7:Tabes dorsalis 8:Myopathies 9:サルコイドーシス
が挙げられているようです。やっぱりVascular, Infection...と順に考えていかれ たのでしょうか?
今更のような質問で恐縮ですが、「つまむと痛い」というのは皮下をすこしつまん だだけでも痛いのでしょうか?それとも筋肉を大きくつかむようなGraspで痛みが誘 発されるのでしょうか? 最初、「筋肉ではなく神経のイベントかな?」と思った理由は、「つまむ」という 表現でなにか浅層のイベント、つまり皮膚やその部分の支配神経の問題をイメージし たからです。すこし早とちりだったかもしれません。また、「首から下すべて」との ことですが、Segmentalな要素はありませんでしたでしょうか?(Dorsal-root ganglionopathyを念頭に置いています)それとも神経学的なSegmentの要素はなく、 「体全体が痛い」としか表現できない局在(?)だったのでしょうか。
Dr. Tierneyが「MyopathyでもCK上がらないことあるよ」とこっそり書いているの が興味深いです。
(Rheum-dora)
早速のご意見を頂きありがとうございます。病歴の記載がわかりにくくて申し訳ありませんでした。 患者さんは「つまむと痛い」「肩がこったような重だるい感じ」という表現をされます。「つまんで痛い」ですが、基本的には腹部の筋層よりも浅いレベルで皮膚や皮下脂肪をつまんでも痛みが出ますし、TricepsやDeotoidの筋肉をつかんでも痛みが出ます。筋肉痛なのかneuropathyなのかよくわからないのですが、分布はproximal優位です。皮下組織や筋肉をつまんで圧を加えたと同時に痛みが出るのはupper chest and shoulder areaですが、それより下は「つまんだ時の痛みよりもその後離してから1.2分痛みがジーンと残る」といいます。「腰から大腿にかけて重だるい痛み」が、漁業の仕事をしていても出てきて辛くて仕事ができないし、横になって寝ていると下になった側に痛みと重だるい凝った違和感が出てきて眠れない、そうです。その他、体のあちこち(体幹、両下肢)にびりっとした電撃痛が瞬間的にはしる、といいます。
膠原病リウマチ内科にご紹介いただくケースは難しいですね。またご意見をいただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。
(K先生)
先日より困っているが症例が有りまして、皆様のご意見をうかがえればと存じます。 長い記述のうえに英語ですみません。膠原病関連疾患なのかどうか見当がつきません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
Case: CC: 63 y/o fisherman presented with pinching induced pain all over his body below the neck.
Pt was able to catch shrimp boarding on boat until October 2006, when he developed neck and shoulder stiffness and had to be off from work. The stiffness over upper trunk turned more like a pain when triceps and shoulder muscles got pinched. He felt residual pain for 1-2 min off the pressure. He also felt dullness over low back and blt lower extremities. The dull pain is constant, worse on lying in LEs. The stiffness of upper trunk and low back- pelvic area became unbearable in 30 min when he repeatedly loaded bucket of shrimp on to the boat. Pt experienced spontaneous lightening pain in arms and legs everyday. He has no abnormal sensation above his neck.
Pt sought medical attention in several specialties at different hospitals since October. His lumber MRI showed L5/S1 stenosis. The dullness on low back appeared slightly improved with the local injection for 'spinal stenosis' at orthopedics, but the pinch induced pain became worse over time and spread throughout upper and lower trunk. He experienced pain even with the pressure when he rolls over in the bed and his sleep got disturbed.
His past medical hx is significant for untreated hypertension, and COPD dxd a year ago when he had SOB on exertion last winter. He has no sputum or cough, and no sig changes of DOE since last year. His left visual acuity had been weak since he had contracted 'measles' as child and was completely lost since retinal detachment in his 30s.
He takes no medication, no OTC meds or herbal medicine. No known drug allergies, He used to smoke 60pack year and quit 2 years ago. Occasionally drinks beer and no illicit drug use. No recent travel, and no pets or exposure to animal before this presentation. No transfusion. He lives with his wife and 2 grown children. His family hx is noncontributory.
ROS is negative for weight loss, night sweats, skin rash, visual changes, GI or GU sx.
Pt was mildly hypertensive but otherwise showed normal vital signs, and afebrile. He appeared developed and well appearing. Lt eye showed fixed pupil with no reactive to light. Remainder of HEENT, lung heart, abdomen, extremity, and skin exams were unremarkable. Neuro exam: CN2-12 intact and reflex are all normal. Sensation: significant for pinch induced pain below neck. Vibratory, cold temperature, or proprioception intact. Light touch sensation was mildly diminished in both feet. Motor 5/5 throughout. Coordination, Romberg and gait were all intact.
Given the distribution of neck thru shoulder girdle and low back stiffness, we tried prednisone 15mg qd for 5 days, assuming he might have PMR. Steroid was ineffective and was discontinued.
Lab: WBC 10,000 (N 75%, L 10%, E 8 %) Hb14.5 Plt nl LFT nl LDH nl BUN/Cr 20/1.2 (baseline) ESR 28/hr CRP 1.8mg/dl U/A: protein 1+ no casts
CXR nl
He remained symptomatic and the trial of tricyclic antidepressant was not promising. Pt lives far at the sea shore and requests inpatient w/u.
Additional blood work: ANA neg, RF neg, SPEP neg, ANCA neg, VDRL less than 1, TPHA x 160 (<80), Imaging studies at outside hospitals was reportedly all negative: - MRI of head, chest, abdomen, lumbar spine, pelvis - Nerve conduction test. - cystoscopy # Disabling pinching sensation (myalgia, neuralgia??) #mild eosinophilia #Dyspnea of exertion (smoker) #+syphilis antigen #mild elevation of inflammatory markers #L4/5 spinal stenosis My DDx on admission were only tabes dorsalis and eosinophilic myalgia syndrome. Pt was admitted yesterday and LP revealed 5/3 cell and normal protein/glucose. CSF VDRL is pending. Muscle and neck MRI were normal. Could this still be Tabes dorsalis (despite no cells in CSF, no deep sensory deficit)? What other differential dx would account for this presentation?
(K先生)
外来・病棟と駆け廻った後に書類を書きながら拝読しましたので、とんでもない勘 違いをしている可能性がありますが、"Small-fiber neuropathy"として鑑別を考える のはいかがでしょうか?
http://www.thecni.org/reviews/13-2-p07-treihaft.htm
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12210380&dopt=Abstract
年齢・社会的にどうかとも思いますが、小生なら一応HIV statusは調べるかもしれ ません。 また、リウマチ性疾患の範疇で"Small-fiver neuropathy"を来たす疾患として、 Sjogren症候群は考えるかもしれません。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=12210380&dopt=Abstract
合致しない点として、発症がDistalからではなく、Neck and Shoulderと、PMRを思 わせるような比較的体幹部から起きていることが挙げられます。(神経内科の先生 方、Followよろしくお願いします ^^;) Mild eosinophiliaに着目すると、漁の時(に限らず)思わぬものを食べていない か(残念ながら知識不足で具体的な寄生虫の名前が浮かびません)が気になります。
取り急ぎお返事差し上げました。書類に戻ります。
(Rheum-dora)
こんばんは。
K先生の症例呈示を拝見して、ある患者さんのことを思い出しました。
35歳の女性で、慢性に経過した背部痛と両上肢痛を主訴に受診されました。 CXRでのBHLが契機となり、サルコイドミオパチー(chronic type)と診断した症例です。
私の鑑別診断は、梅毒、サルコイドーシス、結核、真菌感染症、HIV感染症、血管炎症候群、 lymphomaそして甲状腺疾患です。 また、Rheum-dora先生がおっしゃるように好酸球増多に着目するのも重要だと思います。
血清Ca、ACE、針筋電図、筋造影MRIそして筋生検を計画したいです。
(Y先生)
Rheum-dora先生、Y先生ご意見ありがとうございました。お二人とも考え方がしっかりされていて、とても勉強になりました。
ケースの簡単なまとめですが、63才漁師さん男性、数ヶ月間のprogressive disabling shoulder/trunk/low back stiffnessとepisodic ligntening pain、神経学的所見はgrasp and pressure induced hyperesthesia of affected area以外所見なく、検査値では軽度の炎症と軽度好酸球増多、TPHA 陽性、CSF 大きな異常なしでした。前回きちんと述べていませんで したが、LDH nl, CPK nl, TSH nl, Calcium nl, 他院でのEGD, Colonogscopy negative, CT of chest and abdomen negativeでした。
追加検査結果では、HIV negative, CSF-VDRL negative, Nerve conduction test negative, MRI of quadriceps and cervical spine unremarkableでした。患者さんはtricyclic からcarbamazepineに変更されて2泊3日の検査入院後一度帰宅となりまし た。
神経内科の先生方もとても診断に苦慮されておられました。Current Dianosisという内科教科書の筆頭著者でもありNEJMのCPSでもおなじみのUCSFのティアニー先生にご意見を伺うことができたので、皆様にお伝えしたいと存じます。長いのでお時間をとりますこと、お詫びいたします。
A very rare condition I thought of immediately was Stiff-man Syndrome (some call it Stiff-person Syndrome for political correctness). This is thought to be an auto-immune syndrome, related possibly to type I diabetes and other immune conditions. The early symptoms are just like your patient's; I think you can find details on the internet. The EMG shows characteristic findings which Valium abolishes, unlike any other disease. Antibodies to glutamic-acid decarboxylase are found in most cases; sensory and motor neurological examinations are normal however. It would be an early case, and the disease is slowly progressive; you might be able to help the patient with high-dose benzodiazepines or baclofen. This is so rare, however.
One always thinks of Ciguatera toxin poisining in a fisherman with neurological symptoms, but they are mostly sensory. The idea of eosinophilic fasciitis came to my mine. It usually causes more obvious non-pitting edema in the affected areas; a deep fascial biopsy is necessary for diagnosis. I don't think it is eosinophilia-myalgia syndrome. If I am not mistaken, this is caused by tryptophan in a food supplement, and has not been reported for a number of years.
Sometimes people keep supplements for long times in their homes, so you might ask him about that. Trichinosis causes severe myalgias with eosinophilia, but I don't think you have it in Japan; an antibody test confirms. One of my patients had it: he was a hunter, and ate undercooked meat of a bear. You could see if your patient has this hobby, and you would know better than I if it is found in Japan.
Some small-fiber neuropathies may cause similar symptoms to your patient's with a normal nerve-conduction test. In such individuals, repeated and careful neurological examinations, especially of sensation and strength, are useful. The lightning nature of the pains make me wonder about that.
It is interesting that he had a peripheral treponemal test positive, but maybe it is falsely so (compatible with autoimmune disease, as Mitsuyo knows well). However, a negative CSF VDRL rules out tabes; you are so smart to think of it! I once had a patient with these lightning pains and tabes: very dramatic. A small-fiber neuropathy can be paraneoplastic, and indeed, the entire picture concerns me for this.
I learned from the great Dr. Robert Fishman at UCSF years ago that unexplained neuromuscular syndromes should raise the question of a hidden malignancy. Your patient is in the correct age range for that, and you might seek it with endoscopy and abdominal-pelvic CT scans.
I agree that PMR is excluded by failure to respond to steroids. Most true myopathies, such as polymyositis, have easily demonstrated weakness, but your Hokkaido fisherman may be a strong man in whom loss of strength could be difficult to detect. Endocrine myopathies are painless; inflammatory myopathies have pain much of the time. The CK is not always elevated. Sarcoidosis is an often overlooked disorder capable of causing myopathy, and is common in Japan as I need not tell you.What does one do?
I would proceed as follows: 1. a deep muscle biopsy to include fascia, in an affected area 2. repeat of the muscle enzymes 3. an EMG, positive in 85% of myopathic processes 4. a CT of the type I mentioned 5. the antibodies mentioned for Stiff-man (person) Syndrome 6. a panel of autoantibodies, to include anti-parietal cell, anti-thyroglobulin, anti-microsomal; obvously SLE is in the mix, so ANA is necessary, but I think you have already performed that 7. consider a therapeutic trial of baclofen while awaiting the results 8. hold off on steroids unless everything is negative, and then consider a higher dose, say 40 mg. of prednisone daily 9. trichinella antibodies 10. and as always in the end, revisit the history 11. serum LDH, as lymphoma can do strange things clinically.
また神経内科の先生方と相談しながら検査と経過を見ることにいたします。その後新たな展開がありましたらご報告申し上げます。
(K先生)
Dr. Tierneyの鑑別診断としては、
1:Stiff-person syndrome 2:シガテラ中毒 3:好酸球性筋膜炎 4:Eosinophilia-myalgia syndrome 5:Trichinosis(旋毛虫症) 6:Small-fiber neuropathies 6-1:Paraneoplastic syndrome 7:Tabes dorsalis 8:Myopathies 9:サルコイドーシス
が挙げられているようです。やっぱりVascular, Infection...と順に考えていかれ たのでしょうか?
今更のような質問で恐縮ですが、「つまむと痛い」というのは皮下をすこしつまん だだけでも痛いのでしょうか?それとも筋肉を大きくつかむようなGraspで痛みが誘 発されるのでしょうか? 最初、「筋肉ではなく神経のイベントかな?」と思った理由は、「つまむ」という 表現でなにか浅層のイベント、つまり皮膚やその部分の支配神経の問題をイメージし たからです。すこし早とちりだったかもしれません。また、「首から下すべて」との ことですが、Segmentalな要素はありませんでしたでしょうか?(Dorsal-root ganglionopathyを念頭に置いています)それとも神経学的なSegmentの要素はなく、 「体全体が痛い」としか表現できない局在(?)だったのでしょうか。
Dr. Tierneyが「MyopathyでもCK上がらないことあるよ」とこっそり書いているの が興味深いです。
(Rheum-dora)
早速のご意見を頂きありがとうございます。病歴の記載がわかりにくくて申し訳ありませんでした。 患者さんは「つまむと痛い」「肩がこったような重だるい感じ」という表現をされます。「つまんで痛い」ですが、基本的には腹部の筋層よりも浅いレベルで皮膚や皮下脂肪をつまんでも痛みが出ますし、TricepsやDeotoidの筋肉をつかんでも痛みが出ます。筋肉痛なのかneuropathyなのかよくわからないのですが、分布はproximal優位です。皮下組織や筋肉をつまんで圧を加えたと同時に痛みが出るのはupper chest and shoulder areaですが、それより下は「つまんだ時の痛みよりもその後離してから1.2分痛みがジーンと残る」といいます。「腰から大腿にかけて重だるい痛み」が、漁業の仕事をしていても出てきて辛くて仕事ができないし、横になって寝ていると下になった側に痛みと重だるい凝った違和感が出てきて眠れない、そうです。その他、体のあちこち(体幹、両下肢)にびりっとした電撃痛が瞬間的にはしる、といいます。
膠原病リウマチ内科にご紹介いただくケースは難しいですね。またご意見をいただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。
(K先生)
登録:
投稿 (Atom)